恋より強く
「転校生来るのに寝てるなよ」
ぶつぶつと呟く松平ちゃんの一言に私は妙に納得させられる
そういえば昨日から転校生が来ると噂になっていた
遥が男らしい、イケメンらしいと騒いでいたのを頭の片隅で思い出していた
「転校生入っていいぞー」
私はあくびをしながら顔を机について青い空を見つめた
ドアをあけた音がする
どれくらいだろう、女子がイケメンと騒ぐ声が聞こえたのは。
「間宮優太朗です、よろしくお願いします」
低い声だった
興味なさそうに見上げると、世に言うイケメンがいた
綺麗な黒髪
パッチリとした二重
180はあるくらいの長身
色白で綺麗な肌
私でも分かる。この人はカッコいい
「おい、桜田。お前はなぁにガン飛ばしてんだ」
松平ちゃんが私に笑いかけた
「いやぁ、これまた戦争が起きそうなくらい男前ですこと」
「戦争ってなんだ」
「先生がしらなくていいくらいどろどろした奴です」
男前は、私をしげしげと見て、ニコリともしない
失礼な男だ