【短編集】天使がくれた愛
「うえっきたかぁ」
啓。
水瀬家の末っ子、中学ニ年生。
すごい憎たらしい、私に意地悪してくるうっとい奴。
「みんなこれからよろしくねっ♪」
「心結チャンの部屋は、啓と陸の間ね」
私はコクっとうなずいた。
「イヤだし、こいつの隣なんて」
「私だってやだよーうっ」
いーっと睨み合った。
「二人はほんとなかいーなぁ」
陸クンは私と啓の頭をポンポンした。
啓は「子供扱いすんな」とおこって陸クンの手を払った。
どうして私がこのうちに来たがって?