純蓮
両親の離婚。





まさかそんな出来事が自分の身におこるなんて信じられなかった。


でも、心のどこかで子供なりに感じてた。


私の父親は、いつも母親に暴力をふるってたから。


母親が顔面血だらけで私が寝てる部屋に飛び込んできた時のことは今でも鮮明に覚えてる。


一緒に寝た記憶もないし、どこかに連れてってもらった覚えもない。


覚えてるのは、いつも恐い顔してたことだけ。


だから私は父親が嫌い。


そのせいもあってか、根っからのおじいちゃん子☆


電話の声色だけで私の心の中がわかっちゃうおじいちゃんは私の救世主。






でも、初恋の男の子に会えなくなる辛さは、いくらおじいちゃんの力でもダメだった。


ランドセルやシューズも制服も何もかもが違ってて、友達もいない。


大好きな子もいない。


ワクワクもしたけど、なんでこんな思いをしなきゃいけないのかが、全然理解できなかった。







4年生の春の出来事だった。





転校生は注目の的だったけど、いっぱい友達もできたし、好きな男の子もできたし、何より学校までがかなり近くなったのが嬉しかったな。


前の学校は片道40分だったけど、今度はたったの2分。


でも、そのおかげで病弱だった身体が強くなったから、今では感謝してる。


私は、30%の確率で生まれてきた奇跡の子供。


母親はショックだったみたい。


『お腹の赤ちゃんは70%の確率でダメです。』


なんて、病院の先生に言われたんだって。


私がその立場でもショックだとおもう。


妊娠初期じゃなくて、もうすぐ生まれるってときに言われたらしい。


それでも、少ない確率を信じて頑張って産んでくれた母親には、本当に感謝してる。


でも、小学2年生までに、入院を4回もした。


百日咳に始まって、自家中毒を2回、そして髄膜炎。


普通の健康な子供にはハンパないよね。


子供ながらウォーキングの大切さは痛感したっけ。

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