南極2号
考え事しながら飲むビールもなかなかのものである。
何かむずがゆい気もするがビール本来の苦味とマッチして何とも言えぬ絶妙なハーモニーを奏でる。

が…現実に昼間っから堂々と1人でビールかっくらってる女に声を掛けるヤツは、そうはおるまい。

しかもなまじっか美人だから…

更に眉間にシワ寄せて難しい顔してるとなりゃ触らぬ神に祟りナシであろう。

それでも例外ってのは、おるもんだ。

「よぉ千夏…相変わらずお前目立つよな」

と言って声を掛けてきたのは、あたしの彼氏の良治(リョウジ)だった。
< 16 / 112 >

この作品をシェア

pagetop