鏡面世界
出会い
大学に通い始めて3年目の夏ー。

俺、神名 信(かみな しん)は大いに後悔していた。

あれは3年の春、俺は1年、2年と優秀な成績で単位を取得し調子に乗っていた。

少し難しくても俺はイケるんじゃないか?

そんな簡単な気持ちで取ってしまった授業が『日本民俗』。

それが、俺を苦しめていた。

決して難しい授業ではないが、興味が無いのでつまらない。

今まで全ての単位を取得してきた俺は、単位を落とすということに非常に抵抗があるが、このまま何もしなければ単位を落とす。

それだけは避けたい。

そこで俺が考えた策は、教授への直談判だった。

頭を下げて単位がもらえれば安いもんだ。

それがダメならまた考えればいい。

そんな気持ちで俺は教授が待ち受ける部屋のドアをたたいた。
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