鏡面世界
教授はじっと俺を見つめて、

「だが、中には特殊な苗字も存在する。 携帯、パソコンで変換しても一発で出ないようなものだ。」

俺の神名というのも一発では出ない。

「君もそうだろう?」

その問いに俺は首を縦に振って答えた。

「君の祖先は、もしかしたら神様に対する何かをしていた人なのかもしれない。 神社とかお寺、もしくは弾圧されていた宗教の方だったとか。」

俺自身は何も聞かされていない。

もしかしたら、親も何も知らないのかもしれない。

「まあ、さっき言った神社、お寺の方と同じ苗字を名乗っている可能性もある。 今となってはそこまで気にする事も無くなってきたけどね。」

「けど、可能性が0って訳ではないんですよね。」

「まあ、そういう事だが気にしてもしょうがないだろ? 今まで気にせずに生きてきてさ。」

全くその通りだった。

だが、こんなことを言われて気にならない人はいない。
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