Dangereuses tower
無人のフロアを必死に走る俺達。

虎はそんな俺達をたやすく追い詰めてくる。

獲物を追うそのスピードは、人間の比じゃない。

あれ程の巨体でありながら、一流の陸上選手並みのスピードで、どんどん俺達との距離を詰めてくる!

「ハルカ、朝霧…先に行け!」

俺は先行する二人に言うと同時に、フロア内にあった商品の陳列棚に手をかけた。

そして勢いに任せて通路上にそれを引っくり返す!

激しい音を立てて横倒れになる陳列棚。

虎の進路を妨害しようとしたのだ。

しかし。

「っ!」

虎はそれを難なく飛び越え、更に追跡を続けてくる。

反射神経も身体能力も、驚くほど高い!

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