Dangereuses tower
そんな事をすれば虎の逆鱗に触れる。

次に狙われるのは俺。

それは分かっていた。

分かっていたのに、反射的に手が…いや、足が出てしまった。

「馬鹿…っ」

八戸が強引に俺を引っ張って走る!

ハルカもそれに続く。

虎が俺の蹴りで一瞬とはいえ怯んだ。

この隙に少しでも距離を稼がなければ…!

しかし、虎が体勢を立て直すのはあっという間だった。

二度も三度も自分の狩りの邪魔をする脆弱な人間ども。

その眼に、怒りの炎が灯ったように見えた。

「…っっっっっっ…!!」

背後で、腹の底にまで響き渡るような咆哮を上げ、虎はまたも襲い掛かってくる!

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