Dangereuses tower
ハルカを置いていってしまわないように、時折彼女の様子を見ながら、50階まで降りてきた。

…何とか炎から距離をとり、背後に熱気を感じない距離にまで逃げる事ができた。

この調子ならば、火災に巻き込まれる心配はないだろう。

「急ぎましょ、恭一。早く外に出ないと」

「ああ」

ハルカに促され、更に下の階へと向かおうとした時だった。

「誰かー…誰か残っている人はいませんかぁ…?」

「!!」

俺とハルカは確かに聞いた。

50階…このフロアのどこかから、人の声が聞こえたのだ。


< 54 / 136 >

この作品をシェア

pagetop