Dangereuses tower
まさか、俺達以外に逃げ遅れた人がいる?

階段を下りる足を止め、俺は50階のフロア内へと足を踏み入れる。

50階、ゲームフロア。

クレーンゲームやメダルゲーム、エアホッケー、ガンシューティングなど、馴染み深いゲームが立ち並ぶフロアだ。

システムによる電力供給が再び回復して、煌びやかなネオンが点滅するものの、既にそれらのゲームに興じる人間のいない今となっては、そのネオンも無意味である。

しかし、そんな光の点滅の奥から。

「もう残っている人はいませんかー?逃げ遅れている人はいませんかー?」

やはりはっきりと声が聞こえた。

しかも、俺の聞き覚えのある声だ。

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