Dangereuses tower
とりあえず朝霧の意向も汲んで、少しだけ休憩する事にした。

階段の踊り場に腰を下ろし、呼吸を整える。

が…「私、ちょっとその辺見てくる」

ハルカだけは立ち上がり、45階のフロア内に入っていく。

「おいハルカ…単独行動は危ないぜ」

「大丈夫よ。他に脱出ルートがないか、少し見てくるだけ」

そう言って、彼女はスタスタと歩いていく。

朝霧とは目を合わせる事すらしなかった。

「…朝霧、すまないな。ハルカの奴、こんな状況で少しイライラしているんだ」

ハルカの代わりに朝霧に謝ると。

「いえ…私が二宮さんの立場でも、きっと当たり散らしたくなりますよ…仕方ないです…」

彼女は苦い笑みを浮かべたきり、口を噤んだ。

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