Dangereuses tower
フロア内を走って、ハルカが閉じ込められているという冷凍倉庫を探す。

『フロアの奥の方にあるわ…早くして…寒いっ…』

電話の向こうのハルカの声は震えている。

恐らくは食材を冷凍保存しておく為の倉庫だろう。

となると、その温度は0℃以下に保たれている筈だ。

ハルカはビキニの上に俺の貸した上着を羽織っているだけ。

そんな薄着で、長時間耐えられる訳がない。

…朝霧と一緒に必死で探し回るうちに、それらしき冷凍倉庫があるのを発見した。

「ハルカ!ここか!ここにいるのか?」

外から倉庫の扉を叩いてみる。

『音が聞こえるわ…その倉庫よ…早くして恭一…凍えちゃいそうよ…』

尚も震えた声でハルカが言う。

「待ってろ!」

俺は倉庫の扉の取っ手を掴み、力任せに引っ張る!

しかし。

「何だよこの扉!全然動かない!ロックがかかってんのか!」

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