Dangereuses tower
見れば、扉の近くに暗証番号を入力するらしいテンキーが備え付けられていた。

電子ロックらしい。

暗証番号を入力しなければ、ロックそのものが開かないのだ。

「くそっ、扉そのものは薄っぺらいから、何か道具でもあれば開きそうなのに!」

テンキーに手当たり次第に番号を入力してみるが、エラーが出るばかりでロックは解除されない。

『まだ…?恭一…まだなの…?』

いつも気丈なハルカの声が、どんどん弱々しくなってくる。

寒さで体力が消耗しているのだ。

気が焦るばかりで、扉のロックは一向に解除されない…!

と。

「永瀬君!」

朝霧が声をかけてきた。

「そこに停車してあるフォークリフトを使ってみたらどうでしょう?」

彼女はフォークリフトを指差す。

「前にパパの会社の社員さんが、ここと同じ冷凍倉庫の扉に、誤ってフォークリフトをぶつけて壊してしまった事があって…もしかしたら、扉を壊して開く事が出来るかもしれません!」



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