Dangereuses tower
バックしては体当たり。

それを何度も繰り返す。

次第に広がっていく隙間。

歪み、ひしゃげていく扉。

そして十数回目の体当たりと同時に。

「恭一!」

何とか女の子が通り抜けられる程度の隙間が出来、そこからハルカが抜け出してきた。

「大丈夫か、ハルカ!」

リフトから降り、俺はハルカの体を支える。

…まるで屋外に数時間放置されていたように、彼女の体は冷え切っていた。

< 71 / 136 >

この作品をシェア

pagetop