Dangereuses tower
「無事ですか、二宮さん!」

朝霧もハルカに駆け寄る。

「フォークリフトで助け出すアイデア、朝霧が思いついたんだぜ?」

俺はかじかんだ両手を擦り合わせているハルカに言う。

「え?」

驚いたように朝霧の顔を見るハルカ。

そして。

「…い…一応お礼は言っておくわ…あと…酷い事言っちゃったわね…ごめん」

余程倉庫内は寒かったのだろう。

鼻をグズグズ言わせながら、彼女はそんな素直じゃない言葉を朝霧に向けた。

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