Dangereuses tower
とにかく、新しい生存者を加え、俺達は再び階下を目指す。

俺とハルカが先頭、続いて朝霧、例の女の子は最後尾を歩く。

「あの…」

朝霧が女の子とコミュニケーションをとろうとする。

「お名前聞いていいですか?」

「…八戸由岐…」

歩きながら、真っ直ぐ前を見据え、視線を朝霧に向ける事なく。

その女の子…八戸由岐は答える。

「八戸さんですね…何で逃げ遅れたんですか?」

「…寝てた」

「非常警報には気づかなかったの?」

ハルカが肩越しに八戸を見るが。

「……」

無言のまま、八戸は頷くだけだった。

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