Dangereuses tower
そうなると考えられるのは、このタワー内に敢えて残ったという事。

「そんな!何の為に?」

「しっ!」

思わず大きな声を出す朝霧に声を潜めるよう促す。

…俺は八戸に悟られないように彼女を見る。

「…アイツはこれから脱出しようって時に、わざわざノートパソコンを持ち出してきた。おかしくないか?」

「…大事なものだったんじゃないでしょうか…」

朝霧が言うが。

「そう思う?」

ハルカが俺と同様の考えを口にした。

「まだ確証も根拠もないけど…たとえば…あのノートパソコンで、このタワーのシステムにアクセスして、異常が起きるように仕向けていたとしたら…?」

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