Dangereuses tower
「救助を期待するのは無理」

八戸がノートパソコンをパタンと閉じる。

「私達の力だけで、このタワーから脱出しなければならない。他人の力はアテにはできない」

あまりにも絶望を助長するような、悲観的な言い方。

まるで俺達生き残りの希望を挫こうとしているかのようだ。

「……」

そんな八戸の横顔を、俺は黙って見つめる。

コイツは一体何者だ?

俺の睨んだ通り、この災害を引き起こした元凶なのか…?

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