Dangereuses tower
「二人とも気をつけろよ!」

俺の言葉に軽く手を上げて、二人は25階フロアへと入っていった。

「…全く…」

横になったまま、ハルカが悪態をつく。

「大袈裟なのよ、皆…ちょっと体温が高いだけじゃない」

「馬鹿、そういうのを熱があるっていうんだ」

俺はハルカのそばに寄り添う。

…思えば、流水のプールで溺死しかけたり、冷凍倉庫に閉じ込められたり、俺達四人の中で一番過酷な目に遭っているのはハルカだ。

俺と同じく最上階付近から、自力で脱出もしている。

だがどんなに気が強くても、平気そうに振る舞っていても、彼女は女の子だ。

もう少し体調に気を配ってやるべきだった。

< 95 / 136 >

この作品をシェア

pagetop