Dangereuses tower
「え?」

俺は少し驚いた顔をしてしまう。

「私を助けたり、朝霧さんを励ましたり、八戸さんの言動を観察したり…私達のリーダー気取りなのは気に入らないけど、一番みんなに気を遣っているのは恭一だわ」

それは…俺は皆の中で唯一の男だから、俺が一番しっかりしなきゃいけない訳で。

それよりも、この状況でそんな事を注意深く見ていたハルカに少々感心してしまう。

「多分」

熱のせいで体がしんどいのか、大きく溜息をついた後。

「恭一のお陰で、私はここまで無事に来れたのよ…」

ハルカは普段決して見せない、殊勝な態度を見せた。

「ありがと…感謝してるわ、恭一」

「お、おぅ…」

何だよ、突然…調子狂うじゃないか。

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