オレンジ色の携帯



どうしたいと言われても言いたいことがあるのは彼女の方だし、俺からどうしようって話じゃない。


…でも、強いて言うなら


「…もう一度逢いたいかな」


ボソッと呟いてから自分が何を言ったかを自覚して恥ずかしくなった。


芳成はそんな俺を見て何故か照れたらしく顔を赤くする。


「おまっ…何言ってんだよッ」

「なんでお前が照れてんだ」


冷静に言ったつもりが芳成の反応の所為でこっちまで熱が顔に集まった。


端からみたら俺らマジで危ない関係に見えるよな。


苦笑しつつ視線を上げると校門が見えた。


その奥には灰色の校舎。


ボーっとそれを眺めていると鞄の中が小刻みに振動した。







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