オレンジ色の携帯
俺の腕を掴んでいたのは金髪をグルグル巻きにしたケバーい女。
正直俺と芳成はそーゆー系に慣れてない…つーか、関わりを持たない。
苦手なんだよな。
だから実は内心少しだけびびってたりする。
…秘密ね。
俺らは真っ黒の目で睨んでくる女と無言で見つめ合う。
腕は未だに掴まれたままで手中にある携帯のストラップがぶらぶらと揺れている。
…ん?携帯?
「何見てんのよ」
やっぱり聞き覚えのある声。
この女ってもしかして彼女の…友達?
「理子ちゃんっ」
そして聞こえてきた――愛しい子の声。
やはり、朝電話をかけてきた女らしい。