オレンジ色の携帯




さっきから存在薄いなぁーって思ってたのはワザとそうしてたらしい。


今はすっげぇ存在感主張してっけど。


彼女もそう感じたらしく芳成に視線を向けた後俺を見てきた。


「あー…っとダチの芳成」


もっとマシな紹介しろよって目で訴えてるように見えるのは気のせい。


幻覚だな。


「初めまして。って事で俺帰るわ」


え!?


ぎょっとして芳成を見るとニヤニヤ笑って小指を立てて俺に見せてきた。


古い…って思う前に顔に熱がのぼる。


しかもクチパクで余計な一言まで…。


『脈アリっぽいからガンバ!』


顔が真っ赤になるのが止められなくてあくせくして彼女に背を向けた。


「ん?どうしたの?」


「いや…ちょっと…」


掛かってきた声に呟くように返すしかできなかった。


気をきかせて帰ってくれたんだろうけどさ、芳成!!


爆弾落としてくんじゃねぇよ!!






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