オレンジ色の携帯
でもそんな俺達を軽く無視して颯爽と人混みに消えて行った。
「なんなんだ…」
呆れたというか疲れたというか不思議な気持ちで理子の後ろ姿を追っていると隣からクスクス声。
「理子ちゃん元気だよね」
「元気…だな」
苦笑混じりに返せば彼女は黙ってしまった。
やべ…ダチ馬鹿にすんのはタブーか?
「あ、いや…ハツラツとしてて良いよなって意味で、」
「あのっ」
慌てて誤解をとく、いや誤魔化していると何故か同じく必死な彼女に遮られた。
押し黙って彼女を見ると少し頬が赤い、気がする。
何か俺の目は彼女を可愛くするビジョンでもついているのだろうか。
そう思うほど彼女が可愛く見えて俺も落ち着かない。