オレンジ色の携帯
顔を手で覆って横を向く。
「…ごめん」
無意識に出てきた謝罪に俺自身驚くけど彼女の前では自分をコントロール出来ない事に慣れつつあった。
でも彼女は当たり前だけどそうじゃないから俺の謝罪にピクッと肩を揺らせ真っ赤な顔を持ち上げる。
…可愛い。
さっき見つめるなって言われたばかりなのについ視線は彼女の顔に寄せられる。
「いえっそういう意味ではなくて恥ずかしいというか…」
再度赤くなっていく彼女の肌。
ホント、どれだけ俺を魅了したら気が済むんだろうか…。
「俺な、和食」
「え?」
「好きなもん」
真っ赤な彼女をもっと見たいけどあんまり困らせたくもない。
葛藤の末、俺は後者を選んだ。
そうしてそれは正解だったらしい。
彼女は大輪の花の如く俺に笑いかけてくれた。