オレンジ色の携帯
……………って!
「夕爺ッ!!」
いつの間にか席の近くに立っていた夕爺に向かって叫ぶ。
いつから聞いてたんだよ…!?
ニヤニヤと笑む夕爺の顔はずっと聞いてましたって言ってて叫んだ後に続く言葉がない。
でも俺の顔は顔以上に物申してしまうみたいで真っ赤。
「ほい、娘っ子に爺からサービスじゃぞ」
そんな俺をスルーして赤い頬を両手で覆う愛らしい彼女に爺はにっこり笑う。
今でこそただのジジィだが俺にはわかる…!!
コイツぁ(夕爺)はプレイボーイだったに違いねぇ!
「え…あ、えと。ありがとうございます」
律儀にも席から立ち上がってお礼を言う彼女は偉いけど、そんな必要ないんだよ!
「本当に良き娘っ子じゃの。」
身長が同じくらいのクセして夕爺は彼女の頭を撫でる。
…すっげぇ面白くねえ。