オレンジ色の携帯


夕爺にヤキモチを妬くってのも滑稽な話だけど俺はそんなことどうでもいい。


ジジィでも恋敵は恋敵だ。


「ほぉ…ぬしもガキよの。」


彼女を撫でつつも俺に挑発的な言葉をかけるクソジジィ。


野郎…ッ!!


キッと睨みつけると深い笑みで俺を見返してきた。


思いの外柔らかいそれに毒気を抜かれた。


「なんての。こりゃ小僧が嬢さんの為に選んだ物よ」


手に持った果物の盛り合わせを彼女の前において俺を見る。


「良きちょいすじゃ、ぬしよ」


そう言い夕爺は超ご機嫌で店の奥に引っ込んでいった。










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