オレンジ色の携帯
「…いないの?」
「彼氏?うん。私って好きにはなるけど告白出来ないから彼氏はいたことないよ?」
「…へぇ」
衝撃の真実に呆然とする。
彼女はそんな俺をニコって笑って伝票を持って行った。
はっと我に帰りその伝票を彼女の手からすっと引き抜く。
「あっ」
「驕らせて?女の子にお金払わせないってのが俺の決め事!」
そんな決め事なんか本当は無いけど今日の時間のお礼をしたい。
だから払うって言ってる彼女に後ろ手を振りその言葉を流した。