オレンジ色の携帯



呼び出し音が途切れて彼女の声がする。


「もしもし?どうしたの?」


別れてすぐに電話をかけた俺を不思議がるけど心配してくれるような声を出す彼女。


そんな一つ一つの行動が俺にとってどれほど嬉しいことか。


今彼女に向かって駆けているのは意図的なことじゃない。


本能がそうしろって叫んでいるんだ。


「今どこっ?」


「え、コンビニの前だけど…。走ってるの?」


「あのさ!少しそこで止まってくれる?」


「いいけど、用なら私が行くよ」


「いいって!そこで待ってて」


そう言って携帯を切る。


彼女が待つコンビニまで俺は走る。











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