秘密の★オトナのお勉強③
ジリジリと追い詰められる中、あたしは何度も叫ぶが、周りは草木が生い茂る道のド真ん中。
こんな道を車が走っている訳もなく、完全にあたしと中型バイクの男の人との二人きりだ。
「やだ…来ないで!」
「あのなぁ、俺は―――」
「やぁー!誘拐されたくないよ!殺さないでーっ…!」
この一言がいけなかったのだろうか。
男の人の額に血管がピクッと浮き出るのを、あたしはこの目で確認してしまった。
「だーれーがー誘拐だ?ああ゙?」
「ひぃッ…!」
完全にキレたらしい男の人は、あたしの頭に乱暴にヘルメットを被せると、強引にあたしを抱き上げて、バイクに乗らせる。
ヘルメットを被り直したその人は、あたしが逃げる暇すら与えてくれないまま、バイクを発進させた。
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