秘密の★オトナのお勉強③
ヤバイ…?
いや、完全にヤバイ!
脱出する術を持たないまま、あたしはバイクで誘拐されてしまった。
行く先は知らない。この人ももちろん知らない。
「降ーろーしーてーっ!」
「降ろせって言われて、素直に降ろすヤツが何処に居る?」
「鬼畜…って、ぎゃぁー!」
初対面の人に吐くセリフとしては不適切だろうけど、そう叫ばなければならない程に、あたしの頭は混乱していた。
どんどんスピードを上げていくバイクに、あたしは耐えられなくなり、見知らぬ男の人の腰に抱きつくしかない。
というか、抱きつかなかったら、振り落とされて今頃即死だ。
―――お父さん、お母さん。
あたし、誘拐されました。
華の高校生ライフは、もしかしたら送れなくなるかもしれません。
というか、きっと送れないでしょう。
グッバイ、あたしの青春。
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