秘密の★オトナのお勉強③
02★__秘密を握る天敵
「え…」
「だから言ったろ。高梨学園に連れて行ってあげるってな」
…誘拐、されなかった。
中型バイクで拉致られたあたしは、赤茶色のレンガ造りの建物の前に居た。
あたしの視界には、“高梨学園”という立派な表札が存在していて。
「あ…ああっ…」
どうしよう。こんな親切な人を、あたし誘拐犯扱いしちゃったよ。
遅れてやってくる後悔に、あたしは顔を真っ青にさせながら、実はとても親切だった男の人をチラ見する。
透明感のある茶髪に、整った顔立ちを持っているその人は、なんだか爽やかキャラそのもの。
やっぱり、謝らないといけないよね…?
「あの…」
「なんだよ?」
「ありがとうございました…。で、誘拐犯扱いしてしまって、本当にごめんなさい…」
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