秘密の★オトナのお勉強③



「あの…今日入寮予定の貞永ちいなんですけど…」



「貞永さんですね。お待ちしておりましたよ」




目元のシワが特徴的な、いかにも優しそうなおばさんに、数枚の書類と部屋の鍵を渡される。



―――あのストーカー男に誘拐されたあたしは、無事に学園の寮へと辿り着いた。


そして、受け付けのおばさんに自分の名前を告げ、今に至るという展開なんだけど。




「では貞永さん。今からお部屋の方を案内しますね」



「お、お願いします!」




元気良く頭を下げて、おばさんの説明を耳に入れようとしたけど、さっきのストーカー男の事が脳裏から離れてくれない。



困ったぞ。

あんな不審者の事なんか、早く忘れたいのに…


今すぐ炙りたいわ。




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