秘密の★オトナのお勉強②



貞永は、あたしに向かって手を振りかざす。


チャリン…という音を響かせながら、貞永の手から離れたその物体は、あたしの目の前へと落下した。



音からして、明らかに金属。



急いで拾い上げたあたしは、予想外のモノに口をパクパクと動かす事しか出来なかった。




「こ…これって…」



「見て分かんだろ。鍵だよ」



「分かるけど…。この鍵って…」



「俺の自宅の鍵。あゆが自由に来れるようにって、合鍵作ってたんだ」




その言葉を聞いて、あたしは背筋が凍る。


もしかして、もしかして…!




「まさか…あたしを待たずに、勝手に現場から帰った理由って…」



「今日合鍵が出来上がる予定だったから、これを取りに行ってたんだよ。気まずいまま、あゆにバレる訳にもいかなかったしな」




…ひぇーっ!!

あたし、勘違いしまくってたって事じゃんか!




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