秘密の★オトナのお勉強②
「と…とりあえず離れて!」
「あ、ゴメンね。もうすぐキス出来そうなくらいに顔近かったしな」
そう言いながら、あたしの視界から去っていく、初対面野郎。
あたしと初対面野郎の距離は、十センチもなかっただろう。
…少しでもあたしが勢い付いていたら、絶対に唇が当たっていただろうな。
「危なかったー…」
「そうだな、ギリギリだったもんな」
「そうだってば…って、待ってよ!?ちょ―――」
独り言を呟いたはずだったのに、何故か返事が返ってくる。
あたしの耳に響いた独特の声に、嫌な予感がプンプンする。
恐る恐る振り返った先には…
予想通り、笑顔を貼り付けた貞永の姿が。
こめかみに血管が浮き出ているのが確認できる程、貞永は荒れ狂っている様子で…。
…や、ヤバイ。貞永が完璧に怒ってるよ。
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