秘密の★オトナのお勉強②
呆れた目で菊池くんを見ていると、彼はあたしに向かって、ベーッと舌を出し始めた。
…は、腹立つーっ!
「なんなのよ!もうアンタに「くん」付けする必要ナシよ!菊池って呼んでやるー!」
「どうぞご勝手にー」
そうクールに言い放った菊池は、傍に置いてあったファッション雑誌に、再び目を通し始める。
そんな菊池に対して、あたしの苛立ちはMAXに達しようとしていた。
…というか、なんで小西さんは、コイツをマネージャーとして雇ったのよ!
全然動かないし、研修の意味だって全くない。
さては、面倒臭い役を、わざとあたしに押し付けたわね!?
そう、考えられなくもない。
菊池は、あたしより二つ下の二十二歳。
あたしがハッピードリームに入社した時と、まったく同じ年齢。
そう思うと、あたしがいかに真面目に仕事をしていたかが、手に取るように分かるよ…。
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