秘密の★オトナのお勉強②
「…菊池」
「何スか?」
「今すぐ行くわよ」
「どこに?」
「貞永の撮影現場に決まってるじゃない!マネジメントの基礎、アンタに全部叩き込んでやるんだから!」
…このマセガキに舐められっぱなしは、絶対にイヤだ。
そんな気持ちと共に、マネージャー・中森あゆとしてのプライドが、メラメラと心の中で燃え上がっていく。
そうだよ。忘れかけていたけど、あたしはコイツの教育係、…指導者なんだ。
菊池がいかに優秀なマネージャーになるかは、全てあたしに掛かっているんだ。
そんな大切な事を、あたしは忘れていたなんて…。
「本当に行くんすかー?」
「五秒以内に雑誌を置いて立ち上がらないと、菊池の大事な部分、回し蹴りしてやる」
そう言い放った途端、菊池は焦った様子で、すぐさま立ち上がった。
…ふん!これがあたしの実力よ、じ・つ・り・ょ・く!!
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