秘密の★オトナのお勉強②
「そう言えば、どこぞの女王様は?」
「トイレ行ったっきり戻って来ないんだよね。顔赤くなってたし…熱でもあるのかなぁ」
そう心配そうに眉を下げた冬馬を見て、まだ蘭は告白していないのか…と項垂れる。
また出てしまったんだ、例の性格が。
早く告白すればいいのにと思いながら、貞永の方に視線を移そうとした瞬間、あたしが待ち焦がれていた声が、耳を通り抜けた。
「光輝くん!…にあゆ」
なんだ、今の言い方。
あたしはオマケのような存在ですか。
声の正体が分かっているあたしは、しかめ面を浮かべながら、声の主を見た。
「蘭、随分と乱暴な扱い方なのね。貞永とエライ違いじゃない」
「当たり前じゃない。アタシが譲歩するとでも?」
いつもの悪魔な性格の蘭は、やっぱり変わっていなかった。
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