秘密の★オトナのお勉強②



蘭だって、好きな相手がすぐ傍に居る。


今は片思いだとしても、いつか報われる日が来ると思っている。



冬馬だって、きっと蘭の事を大事に思ってる。


最近、蘭の事をやたらと気にしているみたいだし。




…みんな、自分の幸せを掴んで、離さまいと必死だ。


あたしは…何をしているんだろう。




「あゆ?」



「姉ちゃん、大丈夫かよ」




そんな自己嫌悪に陥っていると、隣に座る隼人と猛が、あたしの顔を覗き込んできた。


急に視界に現われた二人に、あたしは肩をビクッとさせる。




「ちょ…どうした―――」



「あゆ、絶対無理してるでしょ」




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