秘密の★オトナのお勉強②
02★__崩れ落ちた心
本当に、おかしい。
疑わずにはいられない程に。
「じゃ、撮影頑張ってね!」
「ああ。あゆも菊池も、これから小西さんの所で頑張ってな」
俳優の表情に変化した貞永が、にこやかに手を振りながら、今日もスタートラインの撮影へと旅立って行く。
貞永の向かう先には、同じく女優の顔付きへと変化している蘭の姿があって。
あたしが蘭を視線で捕らえた瞬間、同じく蘭もあたしと目を合わす。
だが、あたしの隣に菊池が存在する事に気が付いた蘭は、複雑な表情をしながら控えめに手を振ると、貞永と共に撮影セットの奥へと消えて行った。
―――冬馬と蘭と菊池の、究極の三角関係が発覚してから、一週間。
あたしには、どうしても気になる事があった。
「それじゃ行きますか、ハッピードリームに…って、菊池!?」
「…先に中森サンの車に向かっときますから、ゆっくり来て下さい」
そう、菊池のあたしに対する態度が。
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