秘密の★オトナのお勉強②
実は、あたし自身、今日小西さんに呼び出された理由が分かっていない。
しかも、菊池まで連れて来いという、小西さんのご命令付きだったから、更に疑問は深まるばかりだ。
「あの、今日はなんで…」
恐る恐る話題を切り出してみると、コーヒーを啜っていた小西さんは、あたしには目もくれず、隣に座っていた菊池へと視線を移した。
「菊池くん、中森さんと一緒にマネージャーの仕事をしてみて、どんな感じかい?」
「丁寧に仕事を教えてくださって、本当にマネージャーの仕事の楽しさが分かりましたよ」
そう貼り付けた笑顔で対応する菊池を見て、思った。
…どこが、楽しさが分かりました、よ。
最初の頃は、ずっとあたしだけに仕事を押し付けていたクセに!
でも、流石に菊池が可哀想だから、この事は小西さんには言わないでおこう。
うん。大人だね、あたしは。
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