秘密の★オトナのお勉強②



それは、突然過ぎる通告だった。




「小西さん、どういう―――」



「中森さんや貞永から少しずつ話は聞いていたが、一人でも活動出来る実力は、もう付いているんじゃないのか、と思ってね」




ハッピードリーム・マネジメント部の研修には、特に決められた期間など、存在しない。


小西さんや教育係が見て、一人立ち出来そうだと感じたら、その日で研修終了。


ま、あたしの場合は研修も何もなかったんだけど、普段の小西さんの方針は、こんなカンジらしい。




「うちも今マネージャーの人員が足りなくてね…。もう少し中森さんと行動したかったかもしれないが、すまないな、菊池くん」



「俺が…一人前…に…?」




一人前と認められて、嬉しいハズなのに。

やっとあたし達から離れる事になって、解放感が存在するハズなのに。



―――菊池は、何故か浮かない表情のままだった。




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