秘密の★オトナのお勉強②



用件を済ませたあたし達は、悲しそうに微笑む小西さんに見送られて、スタートラインの控え室へと戻ってきた。


帰り途中の車内でも、菊池は終始無言で、何を考えていたのかすら分からない。



蘭について?

それとも、関係を知ってしまったあたしの口封じを、どうやってするか?



あくまで想像上だけど、このままではいけない、そう思い始めた。



折角マネージャーとして一人立ち出来るのに、こんな曖昧とした関係のまま、バイバイは絶対に出来ない。


だって、一人前になった菊池と再会した時、あたしは笑顔で出逢いたいから。




「中森サン…俺便所行ってきます」



「………」




あえて返事を返さないでいると、菊池は少し間を開けたのち、控え室のドアを静かに開けて、トイレへと旅立って行った。


そのタイミングを見計らって、あたしも座っていたパイプイスから立ち上がる。



…決めた。

今日、絶対に菊池との関係を修復してやるんだから。




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