秘密の★オトナのお勉強②



菊池と蘭が初めて出会ったのは、高校の入学式だった。


高校一年生の菊池が、同じ高校に通う高校二年生の蘭に、入学式の資料を手渡しされた事が、全ての始まり。


―――俗に言う、ヒトメボレってヤツだった。



当時の蘭はまだ芸能界に入っていなかったものの、その並外れた外見から、学校中のアイドルとして知られていた。


蘭に恋焦がれる男子生徒も少なくはなく、菊池もその内の一人に過ぎなかった。




「俺、蘭にどうしても近付きたくて、ずっとアタックしてたんです。教室に行って話したり、メールアドレスをゲットしたりして、ずっとメールを送ったり」



「菊池…」



「だけど、人間っていう生き物は欲張りなんです。だから俺は―――その先を、求めてしまった」




菊池の言う通り、人間というモノは、欲望にまみれた存在。


現状じゃ満足出来ない人間は、何にしろ、その先を求めたくなる。



それは、菊池も同じだった。




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