秘密の★オトナのお勉強②



菊池の声を無視して、あたしは近くに居た冬馬の名前を呼びかける。


あたしに気がついた冬馬は、いつものニッコリ笑顔で、立ち止まった。




「なんだか久しぶりな気がするね、顔を合わせるの」




確かに、冬馬の言う通りだ。

冬馬の本当の気持ちを聞いてから、あたし達は一度も顔を合わせていなかった。


お互いが多忙だったというのもあるだろうけど、きっと冬馬は、蘭の事をずっと支えていたんだと思う。


仕事をしている時も、プライベートの時も、ずっと―――




「冬馬、今すぐそっちに行くから!」




大きな声を出して、あたしは冬馬の元へと走り出す。


と同時に、あたしの身体が、大きく傾いた。




「え…?」



「中森サンッ…!?」




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