秘密の★オトナのお勉強②



「な…中森サン!」




菊池の叫び声が聞こえてきた所で、あたしは我に返って、閉じていた目をゆっくり開けた。


そして…絶句した。




「………っ…!?」




あたしの目の前には、同じくあたしと同じような驚いた表情をしているであろう、冬馬の顔が。


そして、さっき唇に感じた、何か温かいモノ。


その正体は―――

冬馬の、唇だった。



…冬馬と、キスした。

貞永以外の人と、キスしてしまった―――



ようやく脳が理解すると、あたしの身体は冬馬を拒絶するように、素早く離れた。


ゆっくりと掌を唇へと持って行く。


そこは、まだ少しだけ、冬馬の温もりが残っていた。




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