秘密の★オトナのお勉強②
突然聞こえてきた、透き通ったような声は、あたしの震えを、更に増大させる。
あたしと同じ、震える声を必死に絞り出しているのが分かって、心の中に罪悪感という小さな芽が生まれる。
芽を摘む事がないまま、あたしはゆっくりと、声の主の方を振り返った。
「何…してるの、あゆ…」
「蘭…」
「ねぇ…答えてよ、あゆ…!今何してたの!?冬馬と…何をしてたのよッ―――!?」
蘭の余裕のない叫び声が、この緊迫した雰囲気を、更に圧迫していく。
何も答えられない。
答える事が出来ない。
黙ったままのあたしを、蘭は軽蔑したような視線で見つめてくるのが分かった。
…ダメだ。
蘭は完全に知っている。
あたしと冬馬がキスしている場面を、見てしまったんだ。
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