秘密の★オトナのお勉強②
03★__溢れ出す“スキ”
やっとの思いで、蘭の手首を掴んだ。
全力で走りすぎたせいか、ハアハア…と息が乱れる。
「離してッ…!」
「離さない!蘭、さっきのは―――」
「だから言い訳なんて聞きたくないって、さっきも言ったでしょう!?」
「それでも、あたしは話を聞いて欲しいのっ…!」
蘭の手首を掴んだまま、あたしは必死に叫び声をあげる。
あたし達が今居る場所は、撮影現場のビルの中でも、普段使用されていない所。
人影がなくて、少し安心した。
この話は、絶対に他人には聞かれてはいけない内容だから。
「蘭、さっきのはあたしが階段から落ちて、それで―――」
「…そういう事だったのね」
突然蘭の声色が変わった事に驚いたあたしは、さっきの事故を説明するのを止めて、ゆっくりと蘭の表情を伺った。
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