秘密の★オトナのお勉強②
「そうよね。冬馬は、あゆの事が大切だもんね…?」
「蘭…?」
蘭の表情が、自分をあざけ笑うような、皮肉なモノへと変化していた。
ハハハ…と乾いた笑みを浮かべている蘭は、今までの甘美で麗しかった面影が無い。
「好きな人とキス出来て、冬馬はさぞかし嬉しいんだろうな」
―――違うよ。
冬馬が好きなのは、蘭だよ。
「光輝くんもあゆの事が好きで、モテモテじゃない、あゆ」
―――モテモテなんかじゃない。
何を勘違いしているの、蘭?
「いいなぁ、あゆ…」
「蘭、何を言って―――」
「気持ちが届かないアタシを、影で楽しんでいるんでしょう…!?」
壊れたように叫び始めた蘭は、キッとあたしを睨み付けた。
.