秘密の★オトナのお勉強②
「蘭、落ち着い―――」
「落ち着ける訳がないでしょ?好きな人のキスシーンを見せ付けられて、平常心で居られるハズないじゃない!」
叫ぶ蘭の声が、痛々しい。
何も言う事の出来ないあたしを、蘭は更に追い詰めていく。
「二股かけて、あゆはあたしの苦しむ姿を楽しんでいたのよね?」
…違うよ。
あたしは純粋に、冬馬と蘭の恋を応援していたし、貞永との関係だって、そう上手く行った訳じゃない。
砕け散っていく、あたしの心。
涙が溢れそうになっても、必死に我慢していた。
なのに―――
「あゆと、友達になるんじゃなかった―――!!」
こんな残酷な言葉があたしの心を貫いたら、さすがに我慢の限界だよ…。
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